決算説明会の際、時間の関係でご回答できなかった質問についての質疑応答です。
- 法人向けの回線で1ヶ月に10万円使う顧客がいると説明があったかとおもいますが、こういった規模の法人対象のSAM(実際に取り組み可能性がある会社数)はどれくらいの数があるのですか?
- フィリピン国内における全法人数は100万社を超え、中堅以上の法人数は約11万社あると言われております。その中堅以上の法人の上位15%くらいが1か月10万円を超える企業であると推定しておりますので、そのような企業をターゲットとして獲得していく方針です。
- 数年前からハイパースケール事業者との取引について発言があるが現在は取引があるのか?または今後の見通しを教えてください。
- ハイパースケール事業者においては、フィリピンにつながる国際通信回線やフィリピン国内での通信回線に対する要望は強いものがありますが、高い冗長性など条件も厳しいものがあり、本格的な提供とはなっておりません。今後も協議を進め、当社グループの通信回線の提供を図ってまいります。
- PDSCNの開通式典で衛星を打ち上げる旨の発言をされていますが、具体的な計画は上がっているのでしょうか。
- InfiniVANは、フィリピンの通信環境の改善のため、さまざまな取組を行っております。フィリピンは島国にあることから、有線ブロードバンドサービスや無線ブロードバンドサービスの提供が難しい地域を抱えております。そのような通信環境の改善のため、衛星を利用した通信もその一つの手段として検討しているものです。当社グループが衛星を打ち上げるというプロジェクトではございません。
- 新ケーブルの完成は、おおよそいつ頃を目標にしていますか?
- 現在、国際海底ケーブルの建設については、協議中であり、具体的な完成時期は提示できませんが、参加者が合意し、建設が始まると4年から5年程度で完成する見込みです。
- InfiniVAN、Shinagawa Lasik、アイ・ピー・エス・プロの上場に関する時期等についてご説明お願い致します。
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- ・InfiniVAN社につきましては、フィリピン国内において、通信事業者免許取得から5年以内の上場が免許取得時の条件となっておりましたが、新型コロナウイルスにより市場環境等に影響があったため、その期間が延長となっている状況です。今後可能な限り早期にフィリピン市場での上場を目指して参ります。
- ・Shinagawa Lasik社については、以前より上場準備を進めておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響によりフィリピンの株式市場が低迷し、最適な上場時期を検討しておりましたが上場申請を延期しております。現在は早期の収益の回復を図っており、収益回復後、上場検討を進めていく方針です。
- ・アイ・ピー・エス・プロについては、意思決定の迅速化及び機動的な企業運営を強化し、事業執行の確実性とスピード化を図るため、分離・独立して運営することとするために国内通信事業を分社化したものです。当社グループでは、グループ全体の経営力を高め、企業価値の向上を図っており、子会社についてもさまざまな企業価値向上の方策を検討しており、上場についてもその一つの方策であると考え検討してまいります。
- フィリピン上場においての監査法人はどこですか?
- フィリピンの場合、日本と違い、全ての会社で決算の監査が必要となるため、監査法人と契約しております。フィリピンの子会社はGrant Thornton(当社の太陽有限責任監査法人が所属)と監査契約を締結しております。
- 中国脅威を念頭にNTTや楽天シンフォニーなど、Open RANなどの技術支援を目的にフィリピン進出の動きが活発になってきました。こういった日本企業との連携について教えていただけないでしょうか。
- 中国脅威との関係は分かりませんが、フィリピンの通信事業は、外資規制が緩和され、GDPも高い成長を続け通信需要も拡大しており、注目度合いがより高まってきております。それに伴い、日本の通信会社による技術提供やデータセンターの取得などについての話が活発化してきております。ご質問いただきました技術支援などについて具体的な話がある訳ではございませんが、当社グループでは一早く進出した先行優位性を活かし、今後の事業の拡大につながる案件である場合には積極的に検討してまいります。
- 適正株価の水準についてのお考えを改めてお聞かせください。現水準に関するご意見と合わせて。
- 株価につきましては、さまざまな要因によって形成されるものですので、当社の適正な株価水準につきましても一概に申しあげることはできません。しかしながら、当社といたしましては株価水準については謙虚に受け止め、企業価値の向上のための取り組みを積極的に推進し、業績を向上させることが一番と考えております。また、当社のことをご理解いただけるようにIR・SR活動にも積極的に取り組んでまいります。