フィリピンから海外に繋がるネットワークを、もっと強く
フィリピンの通信サービスの発展を妨げている大きな壁の一つが、同国と海外を繋ぐ通信回線が硬直化していることでした。
インターネットのトラフィックを海外に流通させる国際通信回線までの経路が、フィリピン国内の大手通信事業者によって寡占され、競争原理が働かずサービス提供者が高コストを強いられていました。
こうした状況を打破するために、IPSは国際通信回線の取得・運用をはじめ、国際通信事業を強力に推進しています。
CANDLE(2028年予定)
Candle Submarine Cable System:
AI時代の基幹インフラへ
当社グループが共同で建設を進める新国際海底ケーブル「Candle」は、日本・フィリピン・シンガポールを結び、アジア太平洋地域の大容量通信需要に応える次世代インフラとして期待されています。生成AI、クラウド、データセンター需要が急増するなか、長距離の大容量通信を安定的に提供する海底ケーブルの重要性は一段と高まっています。
Candle は 24 ファイバーペアを備え、既存の国際ケーブル C2C と組み合わせることで、日本とフィリピンを中心に、複数地域を結ぶ冗長性の高いネットワークを構築します。これにより、アジア域内のデータ流通の質と量が大きく向上し、当社の国際通信事業にとっても長期的な成長基盤となります。

Candle Submarine Cable System

Balerエリア
BALER CLS(2026年末予定)
Baler 陸揚局:オープンアクセスで拓くフィリピン東岸の戦略ハブ
Candle のフィリピンでのエントリーポイントとなるルソン島東岸の「Baler 陸揚局」は、当社グループが整備を進める次世代の国際通信ハブです。太平洋に面した Baler は地政学的に優位性の高い立地にあり、安定性・冗長性・拡張性の面で大きな強みを持ちます。Baler 陸揚局は最大 4 系統の国際海底ケーブルが接続可能となる設計で、Candle をはじめとする複数ルートが集積することで、国際通信のトラフィックを分散し、障害時にも迅速に迂回できる強靭なネットワークを構築します。
また、当社グループは Baler において オープンアクセスの思想を導入します。特定の通信キャリアに限定することなく、多様なケーブル事業者・キャリアが公平・効率的に接続できる環境を整えます。
DIGITAL ECONOMY
フィリピンのデジタル経済を支える新たな成長基盤
Candle および Baler 陸揚局の整備は、当社グループの成長だけでなく、フィリピンのデジタル経済にとっても重要な意味を持ちます。若年人口の拡大とともに、フィリピンでは高速通信インフラへの需要が急増しています。また、海外企業によるデジタル投資が活発化しており、安定した国際通信ルートは BPO、クラウド、AI 分野での競争力向上にも直結します。
今後は、これらの通信インフラを軸に、AI データセンターをはじめとする新たなデジタル・エコシステムの形成が期待されています。当社グループは、Candle と Baler を基盤に、フィリピンをアジアのデジタルハブへと押し上げるネットワークの構築を進めてまいります。

Philippine Domestic Submarine Cable Network
PDSCN
デジタルインフラの中核を担う
Philippine Domestic Submarine Cable Network(PDSCN)を中心に、現地の大手通信事業者と遜色のない基幹網を実現しました。セキュリティー面にも配慮し、フィリピン政府が全土でのブロードバンド環境向上へ国策として進めているナショナルブロードバンドプランの要件に沿ったものとすることで、政府・自治体向けサービス提供も目指してまいります。
デジタルインフラの中核を担う事業者として、フィリピン
の大きな社会課題に向き合い、フィリピン社会経済の発展に貢献してまいりたいと考えております。
C2C
マニラ-香港・マニラ-シンガポール回線を取得
フィリピンで第3番目の国際データ通信キャリアに
IPSは2012年より、フィリピン国内で個人のお客様にインターネットサービスを展開しているCATV事業者に向けて、他社から国際通信回線の容量を調達して提供してきました。しかし近年、動画配信サービスなどの普及によってトラフィック量はますます増大しており、そこに対応するためには自社で回線を保有すべきだとの判断のもと、2020年5月、マニラと香港・シンガポールを結ぶ国際海底ケーブル(C2C回線)の使用権の一部をオーストラリア最大手の通信事業者から取得。同年10月より回線の提供を開始しました。この結果、当社グループはフィリピンにおいて、大手通信事業者2社に次ぐ第3番目の国際データ通信キャリアになりました。

国際海底ケーブルシステムイメージ

C2C回線の活用モデル
CONNECTIVITY STRATEGY
C2C回線によって様々な通信ニーズに応え、Carriers’ Carrierとしてのビジネスモデルも展開
当社グループは、新たに取得したC2C回線を活用することで、フィリピン国内のさまざまな通信ニーズに対応できる体制となりました。現地の子会社であるInfiniVANが首都圏で提供している、法人向けインターネット接続サービスに必要な国際通信回線もこのC2C回線に切り替え、競争力のさらなる向上を図っていきます。さらに、このC2C回線を従来からのCATV事業者向けに加えて、フィリピンの通信事業者にも提供してCarriers’ Carrier(他の電気通信事業者に回線を貸し出す事業者)としてのビジネスモデルも確立し、回線の取得に要した投資資金の早期回収を図っていきます。
CAPACITY EXPANSION
物理回線取得により、通信容量生成が可能に
高付加価値のインターネットをフィリピンへ
フィリピンのインターネット環境は、周辺の東南アジア諸国と比較しても、まだまだインフラが貧弱で通信速度が遅いのが実情です。フィリピンにとって外貨獲得のための重要な産業であるBPO(Business Process Outsourcing)を推進していく上でも、通信インフラの増強は国家的な課題でもあります。当社グループは、C2Cという物理回線を取得したことにより、伝送機器の追加・更新によって通信容量を今後さらに増やして生成・提供することが可能になりました。これを通してフィリピン国内に高速・大容量・高付加価値のインターネットサービスを提供し、フィリピン社会の発展に貢献するとともに、その成果を自らの成長に繋げていきます。

Speedtest Global Index 202106
日本品質で、フィリピンの通信インフラを進化させる。
フィリピンはASEANで大きな成長の可能性を秘めた国でありながら、通信インフラが社会の発展のネックとなっていました。特殊な業界構造からインターネット環境の整備が滞り、速度が遅い・価格が高いという課題を抱えていました。IPSは、そうした社会課題の解決に向けて、日本企業としてフィリピンの通信市場の変革に挑み、新たな価値をもたらしています。
ENTERPRISE
現地で通信事業者を自ら起ち上げ、
高速・大容量のインターネットサービスを提供
フィリピン通信事業は、IPSが出資したInfiniVAN,Inc.を通して展開されています。2015年にInfiniVANに資本参加した後、フィリピン政府と折衝を重ねて2017年に通信事業を行うための許認可を取得。以降、フィリピン市場でブロードバンドのインターネットサービスを提供しています。現在の主要な事業は、ルソン島のマニラ首都圏での法人向けインターネット接続サービス(ISP)、およびミンダナオ島・パナイ島における光ファイバー通信回線の敷設による、地域通信事業者・CATV事業者へのインフラ提供です。

マニラ首都圏及び国内インターネットサービスネットワークイメージ

METRO MANILA NETWORK
マニラ首都圏で高品質な回線ネットワークを構築5G無線ブロードバンドサービスの提供も目指す
マニラ首都圏における法人向けインターネット接続サービスは、代表的な都心部であるマカティ市を中心に展開されています。競争力のある料金設定により、サービス開始以来、順調にユーザーを増やしています。フィリピンには他にも六つほどのCBD(Central Business District:中央商業集積地)があり、今後このエリアにも拡大していく計画です。これを実現するには各CBDを繋ぐ回線ネットワークを敷設する必要がありますが、交通渋滞が慢性化しているマニラ市内で道路下に通信回線を敷くのは困難です。そのため、LRT-2号線、MRT-3号線などの鉄道に光ファイバー回線を設け、複数経路で安定した通信を実現する「日本品質」によってネットワークの構築を図っています。
また、InfiniVANはすでにフィリピン政府より4Gおよび5Gの周波数帯を割り当てられており、従来の4G技術と新規の5G技術を併用してマニラ首都圏の商業地域での5G無線ブロードバンドサービスの提供を目指し、実証実験を進めています。
MINDANAO, PANAY
ミンダナオ・パナイ島での大容量回線敷設
フィリピン全土をカバーする通信インフラを実現
InfiniVANでは、ミンダナオ島・パナイ島に光ファイバー通信回線を敷設し、地域の通信事業者やCATV事業者に向けて高品質な通信インフラを提供する事業も進めています。2021年10月時点で、ミンダナオ島ではバックボーン回線がほぼ敷設完了、パナイ島では8割以上完了しています。さらに現在、フィリピンの複数の通信事業者と共同で、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶフィリピン国内海底ケーブルシステムの建設に必要な海洋調査を実施中です。この建設によって、フィリピン全土をカバーする強固な通信インフラ構築に寄与し、回線の販売と自社利用で事業をさらに拡大していきます。

ミンダナオ島
